「泉田行夫の『蜘蛛の糸』」朗読と解説(13)

 単調にならないための工夫のひとつについてお話しします。 

 泉田行夫は、「文章のあたまを、同じように言わない、と心がける」と解説しています。

 内容から表現の変化を出すのは当然でございますが、ちょっと、朗読のテクニックの面から、申し上げてみますと、
文章、文章のあたま、つまり、出だしのところを、いつも、同じように言わない、
と、心がけることです。
 出だしが同じだと、だらだらだらだらと、変化の無い話し方に聞こえます。
 ちょっとやってみましょうか? 「ある日のことでございます。」この「あ」を覚えておいてくださいよ。「ある日のことでございます。」「お釈迦様は極楽の蓮池の淵を」「ひとりでぶらぶらおあるきになっていらっしゃいました。」「いけの中に咲いている花は」、「みんな玉のように真っ白で」。
 いかがですか、どれもおなじような調子なので、居眠りが出てくるでしょう? 
   ※   ※   ※

 意識して朗読してみてください。意外と「おなじ調子」をやっていることに気がつきます。では、どう変えるか、、、簡単ではなさそうです。迷います。そう、それを楽しんでください。朗読の醍醐味です。