「泉田行夫の『蜘蛛の糸』」朗読と解説(15)

 今回は、「間」と「リズム」のお話です。
 「間」が「リズム」に乗っている・・・どういうことでしょうか。

 ところで、句点で続けるといいながら、実は、今、私の読んだのを聞いていて、私が、一箇所、切ったのに、お気づきでしたしょうか? 「みんな玉のように真っ白で」「その真ん中にある」、と、「真っ白で」のあと、ちょっと切っています。これは、ここで内容が変化しているからなんです。また、息がなくなって入れる「間」もありますね。それなのに、切れた感じを与えないのは、その「間」が読み方のリズムに乗っているときなんです。
 上手な人の朗読を聞いていますとちっとも切らないで話しているようだが、よく息が続くなあ、と、お思いになるでしょう。でも、やはり人間です。息を吐くだけで、入れなかったら大変ですよ。その息を入れる「間」を感じさせないのは、話し方のリズムの中に、「間」をいれているからなんです。
 「間」はリズムなり。この「間」の使い方が早すぎたり、遅すぎたりしますと、話し方のリズムが乱れてしまいます。これを「間抜け」というのです。
 いや、冗談を言ってしまいましたが、それはさておき、次に、読点、つまり文章の切れたところでは、次の文章との関係で、長い「間」にするか、短い「間」にするか、使い分けて、リズムを活かしてほしいものであります。
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 「リズムを活かす」・・・ううん、むずかしい!